飛行石を手に入れよう! 実在する? モデルになった石は?

世界中でファンを増やし続けている、日本映画の誇る傑作。
1986年公開、『天空の城ラピュタ』(監督・宮崎駿 スタジオジブリ) 。

ラピュタといえば、物語の重要なテーマであり、観た人の心に強く残るもののひとつに、「飛行石」があります。

 

青く輝く、神秘的な大きな一粒の涙型のペンダント…。

小さい頃、ちょっぴり憧れていた人も多かったはず…。

出典 スタジオジブリ

飛行石って?
「天空の城ラピュタ」に登場した、架空の石。岩などに広く含まれているが、かつてラピュタ人だけが結晶化することができた。その力を使い、天空の城が作られ、ラピュタ民は全世界を支配したといわれる。 ラピュタが滅びた際に、王族であるシータの先祖が涙型の一粒の飛行石を持って地上に降りた。重力を操るなどの力があり、城の中枢にある巨大飛行石は、城の周囲の気候制御まで行なっている。 宮崎駿は「飛行石」のアイディアを、子供のころの愛読書であった『砂漠の魔王』(福島鉄次)から得ており、『アラジンと魔法のランプ』をヒントに作られたこの作品では、主人公である魔王が「飛行石」で空を飛ぶというシーンが存在した。

 

さて、そんな飛行石。

実は、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』や、近年大ヒットした『シン・ゴジラ』で知られる、庵野秀明が監督し、製作された、1990年に放送されたNHKアニメ『ふしぎの海のナディア』。

出典 ふしぎの海のナディア  NHKアニメワールド

 

その中に登場する、主人公ナディアが身につけている「ブルーウォーター」と、元ネタを同じにしています。

 

1980年代初頭、宮崎駿がNHKアニメ『未来少年コナン2』用に用意した、「海底世界一周」という企画がありました。

しかし、この企画は、制作が実現しませんでした。

後に、宮崎駿は内容を、映画『天空の城ラピュタ』に使用します。

ですが、この企画自体はNHKと東宝に残されていました。

 

宮崎駿の残した企画は、1980年代後半に、当時、宮崎駿の弟子のひとりとも言える、庵野秀明が参加していたアニメ製作会社「ガイナックス」に持ち込まれ、『ふしぎの海のナディア』という作品として、NHKアニメとして発表されることになります。

『天空の城ラピュタ』と『ふしぎの海のナディア』。

ふたつの作品において、超古代文明、ふしぎな力を持つ青い石。

そして、その青い石をねらう、楽しい一味が現れる…などといった設定が類似しているのは、そのためだと言われています。

 

飛行石は公式グッズとして販売されている

 

さて、実はジブリの公式グッズとして、飛行石は販売されています。

それがこちら。
現在ではAmazonでも購入できます。

 

でもこれだと、話が終わってしまいますね。

それに…正直大人のファンの中には、「ちょっとイメージと違うかも」という人も多いのではないでしょうか。

あのころ憧れた、「本物の飛行石」には物足りなく感じる人もいませんか?

子供のころの記憶美化、あるあるですよね。

アニメに出ていた宝石や魔法のアイテムが、グッズだとなんだか満足できない…というあれです(笑)。

もっと、ダイヤモンドよりも素晴らしいものであってほしかった…みたいな。

それでは、飛行石にはモデルとなった実在のジュエリーは、存在するのでしょうか?

 

飛行石のモデルって?

 

 

飛行石にモデルがあったかどうかは、諸説あるのですが、実際のところは、残念ながら明確ではありません。

断定している書籍や、宮崎駿氏のインタビューなどは、ないというのが現状です。

石好きの間では、割れる時正八面体に割れる特徴から、蛍石(ホタルイシ/ケイセキ/フローライト)ではないかと長年言われてきたそうです。

 

確かに、映画後半に、飛行石が正八面体で壊れていくシーンがあります。

実際、モデルは蛍石だと断定して紹介しているサイトも数多く確認できます…。

ただ、これはあくまでも個人的な意見ですが、蛍石は、見た目がちょっと…理想的ではないような。

割れる時の石の性質よりも、まずは見た目…やはり目の覚めるようなブルーで、光る…というイメージがあります。

そして、できればそうであって欲しい…。

現在、ジブリで販売されているグッズの飛行石は、ラピスラズリで製作されているため、ラピスラズリではないかと言う声もありますね。

しかし、最近では、ラブラドライトという天然石をモデルとしたのではないかという説も有力視されているようです。

 

確かに、華やかな虹色に輝くことや、神秘的なイメージもあることから、見た目の印象はこれが近く、モデルとして人気なのかもしれません。

ラブラドライド、素敵な石ですよね!

 

 

この石で、同人アイテムとして、飛行石を制作している人もいるようです。

 

飛行石は人工物?

 

飛行石は、超古代文明によって、人工的に結晶化したものです。

ラブラドライドやラピスラズリは天然石。

でも、そういう意味では、人工的に作られたジュエリーも、飛行石を名乗る資格があるかも!?

というわけで、人造ガラス「サフィレット」をモデルと考えている人も、少なからず存在します。

実は、個人的には、これがもっとも、物語的にも近い存在のものではないかと思っています!

手に入りにくさも含めて…。

 

 

サフィレットは、アンティークアクセサリーファンには、憧れのひとつ。

この人造ガラスは、1800年代中頃から1900年代初頭、ヤブロネツというチェコの小さな町で、非常に限られた期間製造されていました。

神秘的なブルーが特徴で、見る角度によって茶褐色やブルー、金色に淡く輝く不思議なこの希少なガラス…。

実はこのガラス、残念ながら、オリジナルのレシピを知っている人はもう現存しておらず、製法は永遠に失われてしまった幻のガラスなのです。

製法が失われた理由には、様々な真偽不明の伝説があり、それがよりこのガラスを神秘的なものにしています。

一説では、戦争に嫌気がさした製造していた一族が、後世に残さないために製法を抹消したとか…

曰く、単に金が高騰してしまい、そのままやめて製法がわからなくなってしまったとか…

どうでしょうか。この「失われた技術」で作られた、ミステリアスなガラス…どこか飛行石に重なって感じられないでしょうか?

そのためかこのガラスで作られたヴィンテージ・アンティークジュエリー。

実は、世界的にも、日本人に大変人気があると言われています。

遠い異国で、古くに一時期だけ作られていた神秘の青いガラス…というイメージが、日本人のジブリ的憧憬に突き刺さるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

しかし!

そのため、サフィレットを入手したいときに、注意しなければならないのは、1950年代にドイツで「サフィリーン」という、サフィレットに似せて作られたガラスがあること。

こちらも製法がわからなくなってしまっており、とても魅力的なガラス。
ですが、サフィレットとは成分、見た目、成り立ち、時代の違う、全く別のガラスです。

近年、残念ながら、日本人向けに、ヴィンテージサフィリーンを、アンティークサフィレットと偽って販売する業者も存在するようですので、入手する際には、誠実な業者から、よく見極めてから購入することが大切です。

1950年代に、ドイツが再現したいと願ったサフィレット。

サフィリーンもまた、とても古く魅力的なヴィンテージガラス。「偽物」扱いされたのではご立腹だと思いますが、それぞれ歴史と趣の違う存在ですので、大切にしたいところです。

 

 

サフィリーンのアクセサリーたち。

独特の青みがあり、美しいです。

 

 

いかがでしたか?

 

今回は、宮崎駿のアニメ「天空の城ラピュタ」飛行石についてお話させていただきました。

当ブログメディア/ミライヴィンテージは、世界のヴィンテージ・アンティークアクセサリーをお届けするセレクトショップ、「Tapoli(タポリ)」を運営しています。

希少なサフィレット・サフィリーンも不定期販売。

よろしければお立ち寄りくださいね。

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